公務員から民間企業に転職した話①

働くこと

・公務員って思ったほど緩くないな・・・。
・民間企業の方が給料も待遇もいいんじゃない?
・なんのスキルも身についてなくて焦る。

なーんて、ネガティブな理由で公務員を辞めたいって人は実は多いんじゃないでしょうか。

はい、私もそんなネガティブな理由で公務員を辞めてしまった人のうちの1人です。

今回は公務員を辞めて民間企業に転職した私の大失敗パターンその1をお届けします。
公務員を辞めたらバラ色ライフが待っているわけじゃないんだよ!っていう1つの事例として誰かの心に届いたら嬉しいな・・・。

公務員=楽?

私の場合、まずはなんといっても公務員=楽、と思っていたのがおバカでした。
典型的なルーティンワークやっときゃいいんでしょ?くらいの気持ちだったんです。

そもそも公務員になりたい!と思った理由が、

・安定している
・周りからすごいと思われる
・親を安心させたい

なんて、不純な動機なんですよね。。。
そりゃ入ってから苦労するわな。

はっきり言います!

全然ルーティンワークなんかじゃねぇ!!!(どんっ!!)

むしろその場、その場で考えたり、調べながらやらないといけない仕事の方が多かったような気がします。

もちろん調査物や集計やら典型的なルーティンワークもないわけじゃないのですが・・・。
私の担当した業務がハズレが多かったのか、あんまりルーティンワークってものに当たらなかったんですよ。
むしろ新制度やこれまでになかった業務を担当させられることも多く、公務員みんなが大好きな「前例踏襲」が使えないというパターンを多く経験させられました。
(公務員ってほんと前例踏襲好きな人多いですよね。。。)

楽な部署って本当に限られていて、そういうところは
・メンタルや体調を崩してしまった方
・子育てや家庭の事情で仕事に時間が割けない方

が優先的に割り振られてしまいがち。
特に独身の男なんてどこでもいけるだろ!とあまり誰も行きたがらない福祉系の部署に配属されがち、とか公務員あるあるですよね。

それでも民間に比べたらお前ら楽だぞ?!という意見が多数あると思います。
でも、私は公務員はみんなが思うほど楽な仕事ばかりじゃないと思っています。
県民市民から怒号を浴びせられることも多々ありますしね。
私もクレーム電話で昼休み1時間を潰されたこと、1度や2度じゃありません。
あーいう人ってどこにもぶつけられない思いや考えを公務員にぶつけるしかないんだろうなぁ〜という気持ちで接していたりもしました。

そして私的に公務員で1番楽じゃねぇぞって思う仕事が災害対応ですね。

・地震
・台風
・大雨
・未知の感染症(コロナとかまさにね)
・鳥インフルエンザ

こんなことが起これば、もう即出動!!!
寝静まっている丑三つ時だろうが関係ありません。
常に天気予報をチェックすることが癖になっていました。

そしてこれが発生するともう不夜城と化しますよね。土日も出勤だし。
地震が起きたら家にいたいし、大雨中に水で溢れた道路をジャブジャブ掻き分けながら庁舎に行きたくねぇ!!と災害対応のたびにずっと思ってましたよ。
中でもやっぱりきつかったのはコロナ対応かな。
幸い私はどこの役所にも緊急で作られたであろうコロナ対策本部みたいなところには配属にはならなかったんですけどね。

こんなこと書いたら、税金で飯食ってるんだから災害対応くらい当然だろってまぁ批判されそうですね(笑)
でもね、批判しているそこのあんた、やってみなさいよ!
夜中2時に震度5強起きて、眠気眼に出動しなさいよ。
批判するならまずはテメェもやってみろ、なーんて常に思ってました。
だから辞めた今も災害が起きるたびに、公務員のみんな頑張れ・・・って被災された方と同じくらい心配になったりしちゃいます。
消防士さんとか警察とか自衛隊とか常に出動体制でいなければならない職業って本当に尊敬しかない・・・。

アタオカ上司が多すぎる

クビにならないからこそ、まぁ多いんですよ。アタオカ。
ここ数年で一気にコンプラ遵守の気持ちが世の中で高まってきましたが、それでもまだまだいると思う。
パワハラ、セクハラ、モラハラ、なんでもござれよ。
もちろん訓告や戒告とかそれ相応の処分はありますけどね。
やっぱり余程のことをしない限り、クビにならないってことでまぁ変な上司がのさばってます。

民間ならきちんと成果を出さないと、それ相応の評価がされ、給与や役職にそれが如実に現れると思うんです。
でもね、公務員の場合、ある一定の役職までは基本的に同期みーんな横並びで上がっていくんですよね。
それが良くも悪くも向上心ある人の気持ちを削いでしまうんじゃないかな。
だからA君が⚪︎⚪︎課に配属された!!とか身内同士でしょうもないエリート合戦が繰り広げられてましたね。
外から見たら、みんなただの同じ役所の公務員なのにね。
アホらしいな〜と思いながらそんな光景を見ていました。

私が最初に配属されたところに、今でも忘れられないとんでもないアタオカ上司がいたんです。
後から分かったのですが、これまで何人も退職に追い込んだという曰くつきの人という。
今なら声を大にして言える。
そんなところに新人送り込むなよ!!、と。
人事なんて所詮チェスのように人を駒だと考えてて、あんまりちゃんと配置してないんだな〜といまだに人事に対して不信感バリバリです。
(なのになぜか人事=エリートがいくところ、みたいな風潮があるのもなんか解せない。私がいた役所だけだろうか・・・。)

この最初の上司の何がやばかったかというと、

・急に怒鳴りはじめる
・誰に対して攻撃的になる
・被害妄想が激しすぎる

と心か頭に病を抱えている系だったんですよね。

配属されてまだ右も左も分からない私は、まぁこの上司に翻弄されます。
何かあるたびにネチネチキレてくるのはまだいいとして、30分隣から怒号を浴びせられるのは本当に溜まったもんじゃなかったです。
特に言われていないことを、言っただろう!とキレられるのが1番嫌でしたね。
そして、それを見ているそのさらに上の上司たちは何も助けてくれないという。。。
なーんて非情な組織なんだろう、、、と毎日思ってましたよ。
みんな自分のことしか考えてないのかなって。

結果、3〜4ヶ月くらいかなぁ?
耐えきれず、人生初めての心療内科に駆け込むことになったんです。
心の病って風邪じゃないから完治しないと私は思っています。
寛解こそするかもしれないけど、一生引きずるんですよ。
だからもうこの時から10年以上経った今でも、当時のことを思い出すと憂鬱な気持ちになったりします。

この最初の上司が1番やばすぎたのですが、その後もたくさんのアタオカ上司と一緒になりました。
下記はまぁあくまで一例ですね・・・。

・残業中、部下の女の子に2人でご飯行こうと誘いまくっている、2児のパパ。
(不倫多すぎる問題にびっくりしてました。)
・自分の守備範囲以外は絶対に触れようとしない人
・電話意地でも取らないマン
・頑なに自分のミスを認めない挙句、部下にミスを押し付ける奴
・忘年会で「アキラ100%」と「パンスト被って引っ張り合いゲーム」をやろうと企画する昭和に取り残された人

民間企業にもクソ上司ってもちろんいると思うのですが、なんというか公務員の場合、毛色が特殊な気がします。
ネチネチ、陰湿系が多いような。
まぁどこの世界に行ってもアタオカは切っても切れないのかな。
そんなのに翻弄されながら1日8時間もデスクワークしないといけないって本当に地獄ですよね。

退職する?!暗中模索の日々

私の場合、公務員になったその日からだんだんと「辞めたいなぁ。」という気持ちが増していきました。
毎日毎日、職場が近づいてくるとまぁ気が重いのです。
嫌だな、辞めたいな・・・そんな漠然とした気持ちが常に心に付き纏っているという。
どうやったらこの状況から脱出できるんだろうと20代後半から今後の人生について暗中模索する日々が始まりました。

・寺で坐禅をして悟りを開こうとしたり
・1人で山に登って山頂で叫んでみたり
・公務員を辞めた人のブログを必死に漁ってみたり

と、いま考えたらそれじゃ答えなんて出るわけねーだろ、って感じのことをしていました。笑

中でも28歳くらいの頃ですかね。
予算決算担当になった時に、もう無理ほんとに辞めたい!って思ったことがあって。
セブ島でIT留学!っていうページを見つけて真剣に行こうか悩んだことがありました。
問い合わせてオンラインでの説明会も受けたりしたんですよ。

公務員独自の良いな、と思える制度として自己啓発休業というのがあるんです。
その名の通り、自身の自己啓発のためにお休みをする制度です。
お休み期間はもちろん無給で、大学院とかで勉強してその後の公務員人生に役立ててねってために設けられているらしい。
自己啓発休業についての詳細はこちらのページを参考に。(人事院のページ)

公務員を辞めるのは怖いし、とりあえずこの自己啓発休業を使ってIT留学行きたいなぁって毎日悶々としていました。
IT留学じゃ自己啓発休業は使えなかったのかもしれませんが。
公務員の身分を残したまま、とりあえず一旦公務員から離れたいって気持ちが強かったんですよね。

悩んだものの、結局この自己啓発休業は使わずに終わりました。
どの自治体も毎年度出している勤務状況?とかの報告書があるんです。
その年の採用者、退職者の人数やらが書かれているのですが、そこに自己啓発休業を取得した人数も書いてたりするんですよね。
まぁ無給ということもあり、どの自治体を見ても取得している人自体が少ないなと印象がありました。
まして私の自治体なんて田舎だったこともあり、そんな特殊な休暇を使ったら周りに間違いなく白い目で見られていたかもしれません。

始まった転職活動

そんな暗中模索の日々の中、私に人生初の彼氏ができます。
それがまさに私の人生の転機でした。
それまでとにかく普通に生きなきゃ!!と婚活やらもしていた自分。
でも彼氏を作る、という明らかに普通とは逸れた選択をしたことで、それまで縛られていた色々な自分の価値観やしがらみから一気に解き放たれたような気分だったんだと思います。

よし、退職しよう!!!

と急にスイッチが入りました。
遠距離恋愛だったこともあり、退職して彼氏の元に行こうと決意するのです。
今考えるとまぁなんて無茶で無鉄砲で計画性のない奴なんでしょう。
すぐに別れるリスクもあるのに、あの頃の私には彼氏しか頭にありませんでした。
恋は盲目とはよく言ったものです・・・。
結果として今も別れず一緒に生活しているからいいんですけどね。
当時は完全にテンションハイになっていたのでしょう。

公務員からの転職。
これは公務員を辞めたい人にとっては頭を悩ませるものですよね。
だって、手に職がないんですもん。
よく公務員は潰しが効かないって言うじゃないですか?
3〜4年おきに全然違う畑違いの部署に移動しちゃうので、

・私、人事ができます!
・経理が得意です!
・労務関係ならお任せあれ!

とか武器になるものがまぁないんですよね。
もちろん「対ヒト」の仕事が多いこともあり、折衝やらで武器になるスキルもあると思います。
何回か転職を重ねている私はいまだに自己アピールとして「公務員で住民、企業、関係団体などあらゆる方と接する場面が多く、人に寄り添う姿勢は誰にも負けません!!」的なことを強みとして言いますからね(笑)

余談ですが、公務員から転職する人ってコンサルが多くないですか?
SNSとかで見ている限りですが・・・。
公務員の経験が1番役立てられる職種なんですかね。

私の場合、あんまり職種や業種は縛らずに行こうと転職活動をスタートしました。

・マイナビ転職
・リクナビNEXT
・doda
・ビズリーチ

某有名な転職サイトやエージェントはいっぱい活用しました。
もう気になったものは何振り構わず応募ボタンを押しまくり。
でも、なっかなか書類選考すら通らないのです。
まぁ公務員からの転職は厳しいだろうな、と覚悟はしていたので、書類が通らなくてもあんまり落ち込んだりはしませんでした。

最終的に転職に繋がったのはビズリーチでしたかね。
スカウトだったのか、自分で応募したのか、あんまり覚えていないのですが・・・。
「経理の管理職候補」、というポジションでの応募でした。
とにかく転職できたらなんでもいいや状態だったので、年間休日がそれほど減らず、年収も減らなければOK!!くらいの考えでした。

コロナ禍だったこともあり、面接はオンラインだったのですが、これが意外にもあれやこれやとすんなり選考が進んだんですよ。
最後に社長面接受けて、その5分後くらいに折り返し連絡が来て「内定です。」っていう。笑
決めては、私の人柄だったみたいです。
そんなんアリ?!笑
自分には何もスキルないなぁ〜なんて思っていたものの、人柄で勝負できることもあるのね、とものすごく嬉しかったな〜。
まして経理なんて未経験なのにね。

こうして転職活動は3〜4ヶ月で幕を閉じました。
まだ31歳くらい?とそこまで年齢がいっていなかったのも成功した理由の1つだったのかも。

退職を告げた日

内定をもらってから、課長に退職を告げるイベント。
もう今でも覚えています。
緊張して心臓バクバクでしたもん。

ちょうど6月くらいに全員人事面談があったんですよね。
目標設定とかそういう系の面談だったのかな?
これがチャンス!!と思いましたね。
人生で初めての退職願を震えながら家で書きました。
後から知ったのですが、人事規則で定められた退職の様式があるらしく、後で書き直させられるんですどね・・・。笑

始まった面談。
最初、たわいもない雑談から始まり、私は切り出します。

「あの、突然で申し訳ございません!!実は退職したいのです。」と。

その時の唖然とした課長の顔、今でも忘れられません。
まさか部下が突然退職するなんて思ってなかったでしょうし、そもそも公務員を辞める人自体が少ないので課長にとっても初めての経験だったのかもしれません。
そこから根掘り葉掘り、尋問が始まりました。

・なんで辞めるの?
・転職先は決まってるの?
・両親は納得しているの?
・本当に後悔しないか?

とかとか。

まさか、彼氏の元に行きます!!なんて言えるわけがなかったので、遠方の方と結婚します!って嘘をついたことは鮮明に覚えています。
もうそう言うしかなかったんですよね。
それなら納得してくれるだろう、と。
課長は最初引き留めモードでしたが、私の意志が固いことを理解し、「分かった。人事にも伝えるよ。」と最終的に言ってくれました。

当時私がいた島が3人しかいないところだったんです。
公務員の悪しき慣習なのですが、年度途中に人がいなくなっても人が補充されないんですよ。
だって人事異動が4月の年1回しかないんですもん。
(育休明けの人が来たりするイレギュラーはありましたけどね。)

なので、3人しかいないところを退職して怒られないだろうか・・・と心配ではありました。
その島のリーダー的な人よりも先に課長に退職を告げたので、リーターにも伝えなければいけません。
ただ、私、そのリーダー的な人が大嫌いだったんですよ。
前段で述べたアタオカ上司のうちの1人でした。

・新しいことをとにかく嫌う
・よくしていこうという気持ちが全くない
・ルールが絶対でイレギュラーを受け入れようとしない

頭かちんこちんの堅物クソ野郎でした。
なので、こいつへの退職報告の方がむしろ苦痛なイベントして記憶に残っています。
私:大変申し訳ないのですが、退職しようと思っております。
と告げたとき、そいつの放った一言がこれです。

年度途中だよ・・・?

普通、直属の上司なら、まずは何があった?!どうした!?とか理由を聞きません?
こいつは開口一番のセリフが部下の心配ではなく、仕事?島?の体制への懸念だったんです。
もうこの一言で、ここを退職する決意をしてよかったな、と心晴れやかになりました。

迎えた最終出勤日

はっきり言ってしまうと私の場合、あんまり円満退職だったとは言えないと思います。
退職が決定してから、お世話になった上司とかに挨拶回りにいき、惜しまれたりはしました。
ただ、やはり年度途中でしたし、突然だったこともあり、あんまり周りへの印象が良くなかったのかもしれません。
半年前くらいに退職を告げて年度末までやりきっていたらまた変わっていたのかもしれません。
でも、内定をもらって半年も待ってくれる企業なんてまずないでしょうし、自分の人生ですからね。
立つ鳥、跡を濁さす・・・なんて苦い気持ちを今でも持っていますが、別に跡を濁したわけではないよな〜と自分を言い聞かせたり。

退職を告げてから、もうここにも1日たりともいたくないという状況で針のむしろでした。
結果、3週間くらいしてすぐにたんまり溜まっていた有休消化に入りました。
最終出勤日、課長にセレモニーとかやるか?と聞かれたのですが、全て断りました。
定時のチャイムが鳴った瞬間、課長とリーダーにお世話になりました!と告げて、逃げるように職場を脱出。
庁舎を出て見上げた時の青空はもう今でも心に残っています。
その時の写真がこちら↓

Screenshot

ショバに出た〜!!!!

という何とも言えない解放感でいっぱいでした。笑
まさにこの青空のような清々しい気持ちでしたね。

そんなこんなで私の約10年くらいの公務員生活は幕を閉じるのです。

が!!

内定をもらった経理職。
転職してから更なる地獄が待っていました。
言ってしまえば、転職大失敗!!!
公務員を辞めたことに未練こそなかったですけどね・・・。
それはまた別の記事にて!

プロフィール
執筆者
ごんきち

30代後半のゲイ。
地方公務員行政職を約10年経験後、転職して仕事を転々とする。
働くことは嫌いじゃないが、組織に属して生きていくことに違和感を抱き、思い切ってフリーランスに転身!
働くことへの価値観、自身のゲイの生き方など当ブログにて発信中!

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